見られてなくても全然平気

むかしむかしの話ですが、
学生の頃に飲食店でアルバイトをしていました。

忙しい時間帯はてんやわんやでお馴染みの
飲食店アルバイトです。

その日も例に漏れず人手が足りない状況で、
効率よく動くことを求められていました。

そんな中、私は副店長に呼び止められて怒られました。

「Aの作業をやるなら、ついでにBの作業もやって!」

効率を求める場合によくある話です。
Aの作業をするついでにBの作業ができるのならば、
やった方がいいでしょう。

人手が足りていない状況ですし、
副店長が怒る気持ちもわかります。

ただ、ひとつおかしいことがあるとすれば、
私はその時、Aの作業をやるついでにBの作業をやっていたのです。

 

『おかしいなぁ…。』(心の声)

 

そう思った私は言いました。

 

「すみません、以後気をつけます。」

 

言い争っていても仕方がありません。
人手が足りていないのです。

おそらく、副店長は私がBの作業をやっているのを見ておらず、
Aの作業だけをやっているように見えたのでしょう。

そして、無事に繁忙タイムを乗り切り、休憩時間。

私がひとりで休憩所に座っていると、
店長がやってきました。

さっきの副店長ではありません、店長です。
店長は言いました。

 

「さっき、ケイモトはBの作業やってたよな。」

 

『え…?!』(心の声)

 

「よくあそこで謝ったね。
副店長にも言っとくよ。
見てる人は見てるから大丈夫。」

 

『店長…。』(心の声)

 

なんてことがありました。

内容としてはかなりどうでもいい話なのですが、
「なんかドラマ的!」と思ったのを覚えています。

でも、本当に「見てる人は見てる」のか。
それは時と場合によりますよね。

私はこの時、運よく見られていましたが、
同様のケースで理不尽に怒られることなんてたくさんありますし、
それを誰も見ていないことも多々あると思います。

それすらも「誰かが見てる」のかもしれませんが、
そうなってくると、ちょっと怖い話に発展しかねません。

まぁでも、誰にも見られていなくても
自分が見てることだけは間違いありません。

どんなに報われないなぁと思うことがあっても
ふてくされず頑張りたいものです。

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